近年の高齢化社会において、徐々に増えつつある恐ろしい脳の病気があります。
それは単なる風邪や頭痛と間違えやすく、病気の発見が遅れがちになり症状が悪化しやすいという特徴があります。
その病名は「慢性硬膜下血腫」
聞きなれない病名ですよね?
過去には、俳優の若林豪さんもこの病に襲われています。
高齢者に多く発症がみられ、発見が遅れれば死にもつながる恐ろしい病気だそうです。
しかし、逆に発見が早ければ完治率が高い病気でもあります。
「慢性硬膜下血腫」の原因や症状、早期発見のためのサインについて調べてみました。
慢性硬膜下血腫とは?
出典:Neuroinfo Japan:慢性硬膜下血腫
慢性硬膜下血腫(chronic subdural hematoma)の読み方は、「まんせいこうまくかけっしゅ」
慢性硬膜下血腫は、脳の外側に徐々に血液が溜まる病気。
【原因】
主に。頭をぶつけるなどの外傷。
この病気が厄介なのは、ちょっと軽く頭をぶつけたり、転んだ時に起こるので自覚症状がないことが多いこと!
また、血液は徐々に溜まるので発症が遅く、数日~数ヶ月経ってから症状が出ることが多いようです。
【症状】
症状はゆっくりと現れてきます。
風邪・頭痛・痺れ・歩行障害・物忘れ・記憶障害・意欲の低下など。
また、高齢者に多く発症することから、認知症と間違われ病気の発見が遅れるケースが多々あるようです。
【検査・診断方法】
病院で、CTやMRIを用いて行われます。
慢性硬膜下血腫の特徴として、脳の外側に三日月型の血腫がみられます。
【治療方法】
主に、手術によって血腫を取り除きます。
局部麻酔をし、頭蓋骨に小さな穴を空け、管を挿入してどろどろの血液を洗い出す方法が一般的。
術後は、ほとんどの場合で改善がみられますが、再発の可能性も少なからずあるようです。
高齢者の男性に多い慢性硬膜下血腫ですが、全ての人にこの病気になる可能性はあります。
慢性硬膜下血腫の特徴をまとめると、
症状の発症が遅いこと!
はじめは症状が軽く、他の病気と間違えられやすく発見が遅れること!
軽く頭をぶつけた後、時間が経過してから具合が悪くなった場合は、病院で検査してもらいましょう。
頭をどこでぶつけたかも分からないような軽微な打撲でも、出血が始まっているかもしれません!
慢性硬膜下血腫は、発見が難しいから恐ろしい病気なのです。
発見が早ければ、今の医学では十分に治せる可能性のある病気です。
高齢者の方は、一般的に転倒しやすく物忘れも日常茶飯事です。
頭を打ったことも忘れ、症状もボケと勘違いされやすいです。
家族や周りの方々が、日頃から気にかけてあげることが大切ですね。